「10年間ブロックチェーンの実利用を誰も思いついていない件」について

昨年末に話題になったブロックチェーンに関する記事(長い)をやっと読んだので感想を書きます。邦題をつけるならたぶん「10年間ブロックチェーンの実利用を誰も思いついていない件」。

hackernoon.com

この記事の主張は、ブロックチェーンが元帳を分散保有することで貨幣や決済を電子化できるテクノロジー「だけ」に注目して、仲介人を省いた超効率的・低コストなビジネスないしシステムが実現すると考えるのは誤りだということのようです。具体的に以下のような理由を実例を挙げて説明しています。

  1. 決済(=コンセンサス)のために大量の電力を消費し、効率的とはいえない
  2. 仲介人がいることでユーザーエクスペリエンス・効率・利便性を提供しているビジネスまたはシステムをそうそう置き換えることができない
  3. ソフトウェアの不具合や脆弱性がネットワーク全体にクリティカルな影響を与える
  4. 実際のビジネス/システムはビットコインブロックチェーンで実現できる決済以外の部分が重要であり、単体の技術だけで何かを実現できるものではない
  5. 真の「匿名化」ではないため匿名性が必要な場合には使えない

これらはエンタープライズITに携わってきた人なら薄々感じていたことで、改めて実例を合わせて纏められたことで、「やっぱりブロックチェーンを使ったシステムは難しいんだなー」と腹落ちする内容になってます。

とはいえ、この記事を良い方向に捉えて、これらを踏まえた上での利用に向けたポイントを導き出すことになるでしょう。具体的には次のようなものになるのでしょうか。反射神経だけで書きますが。

  1. 新規分野ビジネスモデルへの活用
  2. 完全なフラット化ではなく、コンプライアンスやビジネスルールの調整役としての仲介人の導入
  3. コンセンサスアルゴリズムの軽量化(トレードオフの調整)
  4. ストレージ・コンピューティングリソースのブロックチェーンからのオフロード